住宅ローンが払えなくなりそうな時の売却の方法
住宅ローンは、家計の中で大きな割合を占める支出項目です。
コロナ禍による収入の減少や想像もしなかった病気、予想を超える教育費の増加などさまざまな理由から、住宅ローンを払えなくなりそうという不安を感じていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。
本記事では、住宅ローンが払えない場合に起こることや、住宅ローンが払えなくなった時の売却方法、その他の対策などについて解説していきます。
コロナ禍による収入の減少や想像もしなかった病気、予想を超える教育費の増加などさまざまな理由から、住宅ローンを払えなくなりそうという不安を感じていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。
本記事では、住宅ローンが払えない場合に起こることや、住宅ローンが払えなくなった時の売却方法、その他の対策などについて解説していきます。
目次
住宅ローンが払えなくなると家はどうなる?
住宅ローンが払えなくなったら、マイホームはどうなるのでしょう?結論からお伝えすると、すぐに手離したり、強制的に退去させられたりということはありません。ただし、滞納が続けば、当然ながらペナルティを負うことになります。
住宅ローンは、「マイホームを担保にした借金」です。つまり、ローン支払いが滞り続ければ、担保にしていた不動産は競売にかけられ、その家からは強制退去させられてしまうでしょう。
不動産競売とは
不動産競売とは、住宅ローンの滞納などにより、家が裁判所に差し押さえられ売り出されることです。金融機関が、継続した返済は不可能であると判断すれば、強制的に家は売却されてしまいます。不動産競売には、多くのデメリットがあります。
まず、競売は公開情報です。どの物件が競売にかけられているかは、誰でも調べることができます。そのため「あの家は差し押さえられた」という事実を知人など周りの人に知られてしまう可能性があります。
次に、住宅ローンの滞納で競売にかけられているため、一般的な売却価格よりも、3〜5割ほど安くなることもデメリットでしょう。そして、競売が成立すると即時に立ち退きを求められるケースが多く、引っ越し時期も自由に決められません。
このように、さまざまなリスクを背負うことになる競売は、不動産売却においてもっとも避けるべき選択肢といえます。競売という手段に行き着く前に、何としてでも別の方法を検討すべきでしょう。
住宅ローンが払えなくなった時の売却方法
住宅ローンが払えなくなった場合、基本的には不動産を売却して返済をします。不動産の売却方法として挙げられるのは、下記の3つです。
・一般売却
・任意売却
・リースバック
一般売却
「住宅ローンを払っていけないかも」そう思ったら、早めに動き出すことがおすすめです。住宅ローンの滞納期間が長くなればなるほど、売却する術はなくなっていきます。売却するにあたって、金銭的ダメージが一番少ない方法は一般売却です。一般売却とは、通常の不動産取引と同じように不動産会社へ仲介売却を依頼し、住まいを売却すること。一般売却を行い、残ったローンを一括返済できればベストでしょう。
一般売却のメリットは、下記の通りです。
・不動産を高く売れる
・ローンの滞納前であれば、債権者の同意が必要ない
一方、注意点もありますのでしっかりと理解しておきましょう。
注意点は下記の通りです。
・買主が見つかるまでに時間がかかりやすい
・不動産会社選びで失敗すると安く売却されてしまう
・売却価格によっては住宅ローンを完済できないケースもありえる
不動産会社選びも大変重要です。不動産会社にはそれぞれ、力を入れている地域や物件種別などの得意分野があります。それらを見極めたうえで依頼をしないと、相場より安くなったり時間がかかったりするかもしれません。
また、安く売却をされることで、残債が売却価格よりも高いオーバーローンとなってしまったら、住宅ローンは完済できません。
任意売却
家の売却価格で住宅ローンを完済できない場合や、自己資金を使っても住宅ローンの一括返済が難しい場合には任意売却を使いましょう。また、すでに滞納が続いている状態であれば、一般売却はできない可能性が高く、選択肢として任意売却か競売になるでしょう。任意売却とは、金融機関の合意のもと不動産を売却する方法です。住宅ローンが完済できない場合でも不動産の売却が可能。競売の手続きがなされる前に任意売却を行うようにしましょう。
任意売却のメリットは下記の通りです。
・自分の意思を反映させた売却条件で売り出せる
・競売より好条件で売却できる可能性がある
・プライバシーが侵害されない
そして、プライバシーが侵害されないこともメリットの一つです。競売は、ネットや新聞などにその事実が公開されてしまいますが、任意売却ではそのようなことはありません。外部に情報が漏れることなく、プライバシーが守られるため安心です。
任意売却の注意点は、次の通りです。
・ブラックリストに名前が載る
・個人の判断で売却ができない
・タイムリミットがある
・残債分の支払いは続く
任意売却を行うためには、必ず金融機関の許可を得る必要があることも注意点の一つです。仲介会社の査定額が低すぎたり返済プランが現実的でなかったりすると、金融機関の合意が得られないこともあります。その可能性も頭に入れ、早めに動くことがおすすめです。
そして、任意売却ができる期間は限られていることも頭に入れておきましょう。金融機関は、任意売却と同時に競売の手続きを進めていきます。ローンの滞納から競売にかけられるまでのタイムリミットは明確に決まっていないため、短期間での売却という認識を持っておくべきでしょう。
もちろん、残債分の支払いが続くことも忘れてはいけません。抵当権は抹消されても、ローン契約そのものが消滅するわけではないため返済義務は残ります。
リースバック
リースバックとは、不動産会社や投資家へ家を売却すると同時に売却先と賃貸借契約を締結することで、家賃を支払いながら同じ家に住み続けることができる方法です。家を売却することでまとまった資金を得て、賃貸することで自宅に住み続けることができるという画期的な方法は、住宅ローンを払えない人の解決策として、注目されています。
リースバックのメリットは次の通りです。
・売却後も同じ家に住み続けられる
・短期間でまとまった現金を受け取れる
・将来的に買戻しができる可能性がある
また、売却完了までに3ヶ月〜1年ほどの期間は見ておいた方が良い一般売却と比べて、不動産会社が直接買主となるリースバックは、短期間でまとまった現金を受け取ることが可能です。そして、将来的に資金が貯まったら、家を買い戻せるケースもあります。
注意点は以下の通りです。
・売却価格が相場より安くなる
・家賃が発生する
・金融機関の同意が必要
毎月の家賃も一般的な賃貸住宅とは大きく異なります。月々の家賃は、【買取価格×期待利回り/12カ月】という式で決められるため、物件の買取価格と期待利回りが反映されます。期待利回りとは、買い手が十分な利益を得るために設定するものです。そのため、買取価格が安くなるほど、高めに設定されます。
買取価格が高い場合は、利回りが低くても十分な家賃収入を得られます。しかし、相場よりも買取価格が低くなってしまう場合には、利回りを高めに設定し家賃収入を高く保つという訳です。
家賃の高さより手元資金を重視するのであれば、運営会社に伝えましょう。反対に、家賃を安く抑えたい場合には売却価格を安くするなど、自身の要望を定めることが大切です。
住宅ローン滞納から競売までの期間
住宅ローンを滞納し始めてから競売、強制退去までの具体的な流れは、下記の通りです。
住宅ローン滞納 約1~3ヶ月 |
① |
ローン返済が滞る |
② |
督促状・催促状が届く |
|
③ |
個人信用情報に金融事故情報として掲載される |
|
住宅ローン滞納 約4~6ヶ月 |
④ |
「期限の利益の喪失」についての通知が届く |
⑤ |
一括返済を求められる |
|
住宅ローン滞納 約7ヶ月 |
⑥ |
保証会社による代位弁済 |
⑦ |
保証会社から競売を申し立てられる |
|
➇ |
競売開始決定通知書が届く |
|
住宅ローン滞納 約8ヶ月~1年 |
⑨ |
裁判所の現地調査 |
⑩ |
競売実施・強制退去 |
住宅ローン滞納 約1~3ヶ月
住宅ローンが支払えなくなった場合、滞納から2ヶ月ほどで、銀行など金融機関から督促状や催促状が届きます。督促状には入金の確認ができていない事実、滞納期間や金額、滞納が続く場合は競売や一括請求をする可能性のあることなどが記載されています。
督促状に従わない場合、次に届くのが催告書です。 基本的に督促状と内容は同じですが、より厳しい通知書という認識が必要でしょう。催告書の期日までに支払いがなされない場合、債務者は分割支払いの権利を失うという内容が記載されています。
また、一般的に61日以上、または3回目の支払い日を超える滞納で、「ブラックリスト」に名前が載ってしまいます。ブラックリストとはあくまで通称で、個人信用情報機関に金融事故情報として掲載されることを指します。
住宅ローン滞納 約4~6ヶ月
滞納を続けて4〜6ヶ月経つと、いよいよ「期限の利益の喪失」の通知が届くようになります。期限の利益とは“期限が定められていることによって債務者が受ける利益”のこと。債務者は、ローンの返済期限が到来するまで返済する義務はなく、また返済が求められることはないとされています。
しかし、住宅ローンの滞納が続くと金融機関との契約に違反したことになり、分割して支払う権利は失われます。「期限の利益の喪失」の通知が届いたということは、ローンを分割で支払っていく権利を失うと同時に残高の一括支払いを求められることになるのです。
住宅ローン滞納 約7ヶ月
金融機関から「期限の利益の喪失」の通知が送られてきたあとに届くのが、保証会社からの「代位弁済通知書」です。代位弁済とは“債務者に代わり、保証会社が住宅ローン全額を一括で金融機関へ返済すること”です。住宅ローンを組む際に、債務者と保証会社との間では「保証委託契約」が結ばれます。
保証委託契約の内容は、何らかの理由で債務者がローンを返済できなくなった場合、保証会社が代わりに金融機関へ返済し金融機関から債権を譲り受けるというものです。
保証会社が代わりに全額返済するといっても、もちろん借主の返済義務がなくなるわけではありません。代位弁済通知書が送付されてきた時点で、債権は金融機関から保証会社に移行されているため、次は保証会社から遅延損害金なども含めたローン残額の一括返済が求められることになります。
保証会社への一括返済もなされないと、保証会社が競売の手続きを開始し債務者には裁判所から「競売開始決定通知書」が送られてきます。
住宅ローン滞納 約8ヶ月~1年
「競売開始決定通知書」の次に、裁判所より「現況調査通知」が届きます。裁判所主導で行われる競売は、まず物件の価値を見積もるために裁判所の執行官や不動産鑑定士が調査に訪れます。現況通知書に記載されているのは調査を行う日程です。
現況調査は法律に基づく強制的なもので、裁判所の権限で家の鍵を開けることも可能。自宅の写真撮影や周辺環境などの調査や近隣への聞き込みを行います。
現況調査後には、「期間入札開始決定通知書」が送られてきます。期間入札開始決定通知書は、入札の開始期間から終了期間までと入札の開札日が記載されたもの。入札最終日に最高額を提示した落札者が不動産の購入者として決定します。
落札者が代金を支払った時点で所有権は移転し、債務者は不法占拠者となってしまいます。ここまでの状態になってしまったら、たとえ引っ越し先が見つかっていないなどの理由があったとしても受け入れられません。有無を言わさず強制退去させられます。
住宅ローンが払えなくなりそうな時の対策
住宅ローンを払えなくなりそうになったら、売却を考えなければなりません。しかし、まだ滞納をしていないのであれば、状況に応じて対処法はあります。売却活動をする前に検討をしてみましょう。
対処法としては、下記のような方法が考えられるでしょう。
・金融機関への相談
・住宅ローンの借り換え
・保険適用ができないか確認
金融機関への相談
収入の減少や予期せぬ支出増加など、さまざまな理由で経済状況が苦しくなることはありえるでしょう。住宅ローンを払っていける見込みが立たなくなったら、早めに金融機関へ相談することが大切。返済計画の見直しを依頼しましょう。返済計画の見直し=返済スケジュールの緩和です。一時的な返済期間の延長や月々の返済額の減額、ボーナス返済の取りやめといった対応は、滞納でないため、基本的には受け入れてもらえます。ただし、納得のいく理由は必要です。
住宅ローンの借り換え
住宅ローンを払えないときは、現在の住宅ローンをやめ、借り換えを検討することも一つの方法です。低金利が続いている昨今。借り換えによる条件の変更で、毎月の返済額を抑えたり、返済期間を引き延ばしたりすることができます。
ただし、返済期間を延長することで元金がなかなか減らず、総支払額は増える可能性があるため注意が必要です。また、住宅ローンの借り換えは、手数料などのコストが発生する点や、新たな銀行での審査が必要となり、時間がかかる点もデメリットといえるでしょう。
保険適用ができないか確認
住宅ローンを契約する際には、「団体信用生命保険」の加入が義務付けられていることがほとんどです。ローンの名義人が死亡した場合の保険と認識されている方が多いでしょうが、実は死亡以外にも高度障害や身体障害に認定された場合も保険適用となります。また、死亡または高度障害以外の特約もあります。がんや脳卒中など特約に該当する病気であれば、ローンの負担を減らすことができるため、特約有無を確認しましょう。
そのほかにも、住宅ローン疾病保障保険や住宅ローン返済支援保険に加入していないかの確認や、医療保険の利用を検討するのも一つかもしれません。
まとめ
住宅ローンが支払えなくなると、ローンの一括返済を求められます。さらに支払いが滞れば、担保にしていた物件は競売にかけられ、最終的にその家からは強制退去させられてしまうでしょう。住宅ローンが払えなくなった場合の売却方法としては、一般売却と任意売却という形が可能です。売却以外の手段としては、金融機関への相談や住宅ローンの借り換え、保険適用の確認が有効です。
リースバックという方法もあります。不動産の売却後も賃貸として住み続けられるという方法で、短期間でまとまった現金を受け取れるというメリットがあります。ただし、金融機関の同意を得なければならないことや売却価格が相場より安くなるというデメリットも理解しておく必要があるでしょう。
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当社は藤沢・茅ヶ崎・鎌倉エリアに限定しております。
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※こちらの記事は2023年2月時点の記事になり今後法改正などにより変更になる可能性がございます。
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