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離婚による不動産の名義変更の流れや税金、かかる費用について
離婚による不動産の名義変更の流れや税金、かかる費用について
「離婚による不動産の名義変更の流れは?」「どのような税金や費用がかかるの?」不動産を所有したまま離婚した人の中には、このように考えている人もいるのではないでしょうか。

そこで、今回の記事では離婚による不動産の名義変更の流れや必要な費用について紹介しています。
この記事を読めば、離婚による不動産の名義変更について網羅できますので、是非ご一読ください。

離婚による不動産の名義変更の流れや、かかる費用について


必要な書類

離婚して不動産の名義変更をする際の流れや、費用などを紹介します。まずは、離婚して不動産の名義変更をする際の必要書類について解説します。

登記事項証明書
登記事項証明書とは、不動産に関する登記簿の内容を証明する公的な書類のことです。不動産の所有者や所有権の種類、抵当権の有無など、登記簿に登録された重要な情報が記載されています。

登記事項証明書は、土地や建物などの不動産売買や抵当権設定、融資の際などに必要な書類です。不動産の購入者などの新たな取得者や金融機関は、登記事項証明書を確認することで、不動産の所有権や負担状況などの情報を正確に把握することができます。

登記事項証明書は、不動産が所在する地域の登記所または法務局で必要な手続きと発行費用を支払うことで、登記事項証明書を取得することができます。登記事項証明書は、不動産取引や金融取引において重要な書類となるため、離婚して不動産の名義変更をする際に必要な書類です。

登記申請書
登記申請書とは、土地や建物などの不動産の所有権や権利関係を変更するために登記所に提出する書類のことです。登記申請書には、不動産の所有者や権利者の氏名や住所、不動産の所在地や地積などが記載されています。

また、登記申請書は不動産の取得や譲渡、抵当権の設定や抹消、地上権の設定や抹消など、さまざまな手続きを行うために必要な書類です。登記申請書を登記所に提出することで、不動産の登記簿が変更されます。

登記済権利証
登記済権利証とは、不動産の所有権を証明する書類のことで、対外的に所有権を主張するために必要です。登記済権利証には、不動産の所在地や面積、登記簿上の番号、所有者の氏名などが記載されています。

不動産の取得や譲渡、抵当権設定などの際には、登記済権利証の提示が求められることがあるため、大切に保管しておきましょう。万が一紛失した場合に再発行ができない書類であるため、注意が必要です。

登記原因証明情報
登記原因証明情報とは、不動産登記の手続きをする際に、その登記の理由や根拠を証明するための書類のことです。不動産の登記は、所有権や抵当権などの権利関係や変更を正確に反映させるために行われる手続きです。

不動産の登記情報を正確に反映させるためには、真実性が確かな登記である必要があります。
そのために、どのような権利の変化によって登記申請が実行されたのかを登記官にわかるようにするために、登記原因証明情報が必要になります。

固定資産評価証明書
固定資産評価証明書とは、不動産や機械装置などの固定資産の評価や価値を証明するための書類のことです。固定資産評価証明書は、固定資産の所有者が資産の評価額や価値を正確に提示するために必要です。

固定資産評価証明書には、評価対象となる固定資産の種類や所在地、面積など、詳細な情報が記載されています。また、評価額や算定方法なども記載されているため、不動産取引だけではなく固定資産税の計算にも役立ちます。

固定資産評価証明書は、市区町村の固定資産税課で取得できますが、重要な個人情報であることから取得できる人が限られるため、注意が必要です。

離婚の日付が記載されている戸籍謄本
離婚によって不動産の名義変更を行う際は、離婚日や氏名変更の事由などが記載されている戸籍謄本が必要です。離婚の日付が記載された戸籍謄本は、離婚後の夫婦の法的な状態を証明することになります。
戸籍謄本は、市区町村の役所で取得できますが、夫婦どちらか一方のものがあれば問題ありません。

印鑑証明書
印鑑証明書とは、法的な手続きや契約などで使用される個人の印鑑の正当性や真正性を証明するための書類のことです。印鑑証明書は、印鑑を登録した市町村が発行します。

印鑑証明書には、印鑑の使用者の氏名や住所、印鑑のデータが記載され、印鑑を使用する場面で本人が正当な権限を持っていることが確認できます。
具体的には、重要な契約書に署名する際や、不動産の登記手続き、金融機関での取引など、印鑑証明書が必要になるケースがあります。離婚による不動産名義の変更の場合には、不動産を譲渡する人の印鑑証明書が必要です。

実印
実印とは、公的な文書に押印するための印鑑のことです。実印は個人や法人の身元確認や契約の際に使用され、重要な文書に押されるのが一般的です。

実印は、個人の場合は自分の氏名、法人の場合は法人名や商号が刻印されており、一般的に角印と呼ばれる四角形の形状をしています。実印は、特に契約や重要な書類に使用されるため、持ち主の身元を確認し、真正性を保証する役割があります。離婚による不動産名義の変更の場合には、不動産を譲渡する人の実印が必要です。

住民票
不動産の名義変更を行う際に住民票が必要となりますが、一般的には発行から3ヶ月以内のものである必要があります。市区町村や、マイナンバーカードを発行している場合にはコンビニなどでも発行できます。離婚による不動産名義の変更の場合には、不動産を取得する人の住民票が必要です。

認印
認印とは、日本で使用される印鑑の一種で、個人が自身の身分や署名を証明するために使用される印章のことです。認印は法的な文書や契約書などに押印する際に利用されます。

認印は一般的には個人の実印として使われ、契約書や法的な手続きにおいて必要となります。具体的には、不動産の売買契約やその他書類の提出、公的な手続きなどが挙げられます。離婚による不動産名義の変更の場合には、不動産を取得する人の認印が必要です。

名義変更に必要な費用や税金

次に、離婚して不動産の名義変更をする際に必要な費用や税金について解説します。

贈与税
離婚による不動産の名義変更の場合には、原則贈与税はかかりません。ただし、以下の場合には贈与税が課税されることがあります。

・分与された財産の額が婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の額やその他すべての事情を考慮してもなお多過ぎる場合
この場合は、その多過ぎる部分に贈与税がかかることになります。

・離婚が贈与税や相続税を免れるために行われたと認められる場合
この場合は、離婚によってもらった財産すべてに贈与税がかかります。

引用:国税庁
ご自身が課税対象になるか、事前に確認しておきましょう。

譲渡所得税
不動産などの財産を譲渡した場合には譲渡所得税が発生しますが、これは離婚による不動産譲渡も課税対象となります。譲渡所得税は、あくまで「譲渡」した際に課税されるため、不動産を譲渡した人が支払う税金です。

また、譲渡所得税は不動産の取得よりも譲渡時の価格が上昇している場合に課税される税金であるため、不動産の評価が取得時よりも下落している場合には、非課税となります。
さらに譲渡所得税は、不動産の値上がりに対して課税されます。従って、不動産の価値が取得時より下がっている場合は課税されません。

登録免許税
離婚による不動産の名義変更の場合でも、所有権移転登記をする必要があるため、登録免許税が発生します。所有権移転登記を行わないと、第三者に所有権の主張ができないため、登記は必須です。

財産分与に関わる登録免許税は、不動産の固定資産評価額の2%発生します。例えば、固定資産税評価額が3,000万円の場合は。60万円の登録免許税がかかります。名義変更の際にトラブルにならないために、事前にどちらが負担するか決めておくと良いでしょう。

司法書士への報酬
所有権移転登記は自分で行うこともできますが、手続きが複雑なため司法書士に依頼するのが一般的です。司法書士に支払う報酬額は、司法書士事務所によって異なるため、事前に確認しておくと良いでしょう。

書類を発行するための費用
離婚による不動産の名義変更の場合には、先述した多くの書類が必要となります。不動産の取引をした際に発行される書類がほとんどですが、住民票や印鑑証明書など、役所などで発行する書類もあります。先述した他の税金や費用よりは小さな額ですが、費用が発生する点は覚えておきましょう。

名義変更の費用を抑える2つの方法

次に、離婚して不動産の名義変更をする際の費用を抑える方法について解説します。

報酬額が安い司法書士に依頼する
不動産の名義変更をする手続きは、専門性が高いため司法書士に依頼するのが一般的です。
しかし、司法書士に支払う報酬額は司法書士事務所によって異なるため、報酬額が安い司法書士に依頼することによって費用を抑えることができます。

司法書士に依頼せず自分で登記の手続きをする
司法書士に依頼する費用も抑えたい場合には、自分で登記の手続きをすることもできます。しかし、離婚による不動産の名義変更は、以下の手続きをする必要があります。

・必要書類の取得

・財産分与協議書の作成

・登記の申請


知識がない人がこれらの手続きを行うと、誤った申請をしてしまいトラブルの原因となります。そのため、法務局に自分で申請することもできますが、専門家である司法書士に依頼するのがおすすめです。

名義変更の流れ

離婚による不動産の名義変更の流れは以下の通りです。
 

・離婚届の提出する

・必要書類を準備する

・登記申請書を作成する

・不動産が所在する地域の法務局に登記の申請を行う

・登記完了後に、登記識別情報などの書類を受け取る


財産分与による名義変更の登記は、期限が設けられているわけではありませんが、早期に財産の精算をするためにも、離婚後は速やかに手続きを行うのがおすすめです。

住宅ローンの残債がある場合


住宅ローンの残債がある場合、不動産の名義変更が複雑になる可能性があります。離婚の事実を金融機関に知らせずに名義変更をすること自体は可能ですが、金銭消費貸借契約の契約違反と判断されてしまうケースもあるため、注意が必要です。

金融機関にそのように判断された場合、住宅ローンの残債を一括で返済するように要求されてしまうこともあります。このような場合に、取るべき対策について解説します。

新たな住宅ローンを組む

不動産を購入する際には、不動産の名義人と住宅ローンの契約者が同一であることがほとんどです。そのため、離婚などを理由に不動産の名義人や住宅ローンの契約者のみを変更することはできません。

このような場合には、住宅ローンを新たに組む、または借り換えをすることで不動産の名義人を変更することができます。ただし、元々組んでいた住宅ローンを完済する必要があることや、元々の契約者と同等の収入がないと審査に落ちる可能性が高い点には注意が必要です。

連帯保証人を変更する

夫婦の一方が連帯保証人になっている場合には、連帯保証人を変更することで不動産の名義人を変更することができます。ただし、新たに連帯保証人となる人は元々の連帯保証人と同等の収入が必要になる点には注意が必要です。

単独名義に変更する

夫婦二人で不動産の名義と住宅ローンの契約をしている場合は、どちらか単独の名義に変更することで、不動産の名義人を変更することができます。例えば、夫単独が不動産の名義人となる場合には、住宅ローンの契約者も単独にする必要があります。

ただし、妻と共有名義で住宅ローンを組んでいた場合には、夫に十分な収入や返済能力がないと単独名義にすることが難しくなる点は、覚えておきましょう。

まとめ

今回の記事では、離婚による不動産の名義変更の流れや必要な費用について紹介しました。離婚による不動産の名義変更をする際には、不動産の名義人と住宅ローンの契約者に注意する必要があります。
名義変更をする際に期限は設けられていませんが、トラブルの原因にならないように速やかに書類を準備し、手続きを行いましょう。

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※こちらの記事は2023年2月時点の記事になり今後法改正などにより変更になる可能性がございます。